屋根のかけ方によっては、雨漏れしやすい形状としにくい形状があります。雨漏れしやすい形状とはどんな形でしょう。それは一言で言ってしまえば、外壁の側面に屋根がくっついているような形です。最近ではシンプルモダンなデザインに多いですが、片流れと切り妻の組合せや、左右や前後で屋根の高さを変える段違いなどは、外壁の側面と屋根の接点に「雨押え」という金物を付けて、接点の隙間から雨水が侵入することを防ぎます。
しかしこの雨押えは、多くの場合金物で繋ぎとめているだけなので、変形や劣化、施工不良等で雨水の侵入口になり得ます。そうした雨押えが極力ないようにすることは、雨漏りが発生する場所を無くすという点で大変有効です。例えば、1階と2階の建物のボリュームをなるべく同等にして、1階の上に下屋をつけないようにすることも大切です。2階の上の屋根は、できれば1つの寄棟の形で2階を全て覆うようにすると、より雨漏りしにくいでしょう。
寄棟と同じように雨漏りしにくい形として、切り妻もいっぺんに2階を覆うようなかけ方ができれば有効です。シンプルモダンなデザインでは、片流れも適しているでしょう。見た目もスッキリしますし、将来的には太陽光パネルにも対応でき、谷や山のある形状よりも葺き替え時の材料コストを抑えられます。凝った形は見栄えが良いですが、将来の雨漏れリスクを考えるのならば、なるべくシンプルな形状にすることをお勧めします。